ただ、名前を呼んで
連絡を受けた祖父母がすぐに駆け付ける。
「たくちゃん!あぁ、良かった大事に至らなくて。」
「心配させてごめんばあちゃん。じいちゃんも。」
青年は事情を説明し、僕は自分に否がある事を訴える。
青年は一度頭を下げて去って行った。
「この大馬鹿者。寿命が縮まったぞ。」
そう言いながらも祖父の表情は安堵に満ちている。
心配をかけてしまった。
もう歳なのに、こんなに息を切らすほどに急がせてしまった。
申し訳ない気持ちと、ほんの少し嬉しい気持ちが入り交じる。