ただ、名前を呼んで

連絡を受けた祖父母がすぐに駆け付ける。


「たくちゃん!あぁ、良かった大事に至らなくて。」

「心配させてごめんばあちゃん。じいちゃんも。」


青年は事情を説明し、僕は自分に否がある事を訴える。

青年は一度頭を下げて去って行った。


「この大馬鹿者。寿命が縮まったぞ。」


そう言いながらも祖父の表情は安堵に満ちている。

心配をかけてしまった。
もう歳なのに、こんなに息を切らすほどに急がせてしまった。

申し訳ない気持ちと、ほんの少し嬉しい気持ちが入り交じる。
< 127 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop