ただ、名前を呼んで
祖父母に医師からの説明が終わると、僕らは病院を後にした。
右足を打撲しているので、祖母が支えてくれる。
少しみっともないけど、背に腹は代えられない。
僕の荷物を持ってくれていた祖父が、思い出したように告げる。
「先生が2、3日安静にしろと言っていた。その間はカスミさんの所へ行くのも我慢しなさい。」
その言葉に思わず足を止める。
「僕、平気だよ。明日も行くよ。」
「聞き分けなさい。たった数日のことじゃないか。」