ただ、名前を呼んで
・フラッシュバック
僕の足は順調に回復し、痛みはあるものの3日後にはもう一人で歩き回れるようになっていた。
早く母に会いに行きたくてうずうずしていた。
会って謝りたかった。
「来れなくてゴメンね」って。
「じいちゃん、もう行っても良いでしょう?」
本を読んでいた祖父はチラリとこちらを見ると、フッと笑った。
「いいよ。よく我慢したな。」
それを聞いた瞬間、僕は嬉しくて思わず飛び上がりそうだった。
実際は足が痛くて飛び上がるなんて無理なんだけど。