ただ、名前を呼んで

家に帰ると祖母が夕食の準備をしていた。

自室に鞄を置いて、キッチンに向かう。


「ばあちゃん、手伝うよ。」


今日の夕食のメニューはオムライスだ。

大きな食器棚から真っ白の平たい大皿を3枚出す。

そのお皿にふんわりと盛られたオムライス。温かそうに湯気が立つ。


祖母は料理が好きで、和食も洋食も中華だって美味しく作れる。

僕にとっては祖母の料理がいわゆる『お袋の味』だ。
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