ただ、名前を呼んで

伝えたいこと。
母と話してみたかったこと。
沢山あったけど思い出せない。


僕はシーツを両手でキュッと握りしめる。


「僕を受け入れてくれるのは、もっと後で良いよ。お母さんが傷に耐えられるようになったら、その時に知り合っていこう?」


今はまだきっと無理。
母の心が十分に現実を受け入れてからでないと。

それまで待つよ。
そしてその時までに僕ももっと強い男になるから。


母へ、精一杯の気持ちを込めて……


「お母さんが、大好きだ。」
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