Love at first sight.
14
ご挨拶に伺った翌日、省吾さんのお母様はお友達の方とご来店下さいました。
「呉羽さん、お邪魔しますね」
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
メニューをそれぞれお渡しする。
「フードやスィーツはこちらのショーケースにもございます。ご不明なメニューがございましたらご説明させていただきます」
「コーヒーが苦手なんだけどこちらはコーヒー店よね?苦みがダメなの」
「でしたら試飲なさいませんか?全てのドリンクで試飲が可能でございますので、気になりますドリンクがございましたらご用意いたします」
カフェエプロンのメモを取り出してページを六等分する。お好みの試飲ドリンクをおうかがいしてから、お席にご案内。禁煙スペースのソファ席を六席押さえさせてもらってある。
「お待たせしました」
SSSサイズ…一番小さい紙コップに付箋でドリンク名を付けておいた。砂糖やミルクはローファットのものも用意。
「ごめんなさいね、呉羽さん。本当はセルフサービスなのよね」
「初めてのお客様にはご案内しますので」
「でも全部持ってきてくれてるわ」
「特別、です」
それぞれ交換されながら試飲されて、お気に召したドリンクとフードやスィーツをご注文頂いた。こんなカフェにいらっしゃらないような上品な奥様の集まりなのに、ドリンクにもフードにもご満足頂けたみたいで、すごく嬉しくなった。
「このお味なら倍は出してもいいわね」
「そうね、お店も綺麗だし」
「ホテルのカフェより立ち寄りやすいわ」
「試飲出来るのも、自分でシュガーを選べるのもいいわ。言い辛い時もありますもの」
「先程の方、巽さんのご子息の奥様なんですよね?羨ましいわ」
聞こえる会話に嬉しくもなるし恥ずかしくもなる。
何より省吾さんのお母様が嬉しそうでよかった。
「お袋から電話があった」
「え?」
「周りの奥さん連中に羨ましがられて、いい気分だったらしいな」
「恥ずかしいって思われなかっただけでも一安心だよ」
「呉羽は自慢の奥さんだからな」
「省吾さんも自慢の旦那様だよ」
「今日は社に甲斐社長がみえた」
最近になってKAIコーポレーションとも繋がりが出来て、よく行き来してるみたい。近々、及川商事を交えて新事業に着手するって。
コンサルタント事業から手広く強い甲斐社長、不動産・飲食関連にも強い及川商事、環境や自然を取り入れた事業展開で有名な省吾さんの巽産業…どんな事業だろう?きっと素敵な何かが出来るよね。
「近々、甲斐社長夫妻や及川の社長と副社長夫妻がうちに来るぞ。結婚と新築の祝いに」
「ホント?」
「ああ。子供たちはいたく呉羽が気に入ったらしく、事ある毎に【くー】と言ってるらしい」
もうすぐ一歳になる征くんと燐ちゃんは私を【くー】って呼んでくれる。東雲さんは初音さんで【はー】。やっと歩けるようになった小さい足でよちよち近付いてくるのなんて、すごく可愛い♪
「征くんたち何食べるかな?何作ろう?」
「呉羽の手料理は何でも旨いだろ」
「省吾さん、明日はお休みになったの?」
「ああ。商談を兼ねているからな。敏明も来る」
敏明さんは省吾さんの秘書の苅谷さんの事。私が異母兄弟だって知って以来、省吾さんは名前で呼んでるし、敏明さんも【兄さん】って。何か嬉しいよね。ただ敏明さんに【お義姉さん】って呼ばれるのはイヤ…めちゃめちゃ抗議した甲斐あって、【呉羽ちゃん】になったけど。
「近々、明日集まるメンツで合同取材を受ける事にもなった」
「まさかファッション誌とか?」
「残念、経済誌だ」
「あ!【executive NewS】だ」
「当たり」
「すごいね~?合同なんて」
「君と木下も一緒だ」
「え!?」
「今や強い繋がりを持つKAI・及川・巽のKOTとフェイバリットのカリスマカフェスタッフとの関係を絡めての合同取材だ」
「私ヤダっ」
「甲斐夫人と東雲も一緒だぞ?」
「呉羽さん、お邪魔しますね」
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
メニューをそれぞれお渡しする。
「フードやスィーツはこちらのショーケースにもございます。ご不明なメニューがございましたらご説明させていただきます」
「コーヒーが苦手なんだけどこちらはコーヒー店よね?苦みがダメなの」
「でしたら試飲なさいませんか?全てのドリンクで試飲が可能でございますので、気になりますドリンクがございましたらご用意いたします」
カフェエプロンのメモを取り出してページを六等分する。お好みの試飲ドリンクをおうかがいしてから、お席にご案内。禁煙スペースのソファ席を六席押さえさせてもらってある。
「お待たせしました」
SSSサイズ…一番小さい紙コップに付箋でドリンク名を付けておいた。砂糖やミルクはローファットのものも用意。
「ごめんなさいね、呉羽さん。本当はセルフサービスなのよね」
「初めてのお客様にはご案内しますので」
「でも全部持ってきてくれてるわ」
「特別、です」
それぞれ交換されながら試飲されて、お気に召したドリンクとフードやスィーツをご注文頂いた。こんなカフェにいらっしゃらないような上品な奥様の集まりなのに、ドリンクにもフードにもご満足頂けたみたいで、すごく嬉しくなった。
「このお味なら倍は出してもいいわね」
「そうね、お店も綺麗だし」
「ホテルのカフェより立ち寄りやすいわ」
「試飲出来るのも、自分でシュガーを選べるのもいいわ。言い辛い時もありますもの」
「先程の方、巽さんのご子息の奥様なんですよね?羨ましいわ」
聞こえる会話に嬉しくもなるし恥ずかしくもなる。
何より省吾さんのお母様が嬉しそうでよかった。
「お袋から電話があった」
「え?」
「周りの奥さん連中に羨ましがられて、いい気分だったらしいな」
「恥ずかしいって思われなかっただけでも一安心だよ」
「呉羽は自慢の奥さんだからな」
「省吾さんも自慢の旦那様だよ」
「今日は社に甲斐社長がみえた」
最近になってKAIコーポレーションとも繋がりが出来て、よく行き来してるみたい。近々、及川商事を交えて新事業に着手するって。
コンサルタント事業から手広く強い甲斐社長、不動産・飲食関連にも強い及川商事、環境や自然を取り入れた事業展開で有名な省吾さんの巽産業…どんな事業だろう?きっと素敵な何かが出来るよね。
「近々、甲斐社長夫妻や及川の社長と副社長夫妻がうちに来るぞ。結婚と新築の祝いに」
「ホント?」
「ああ。子供たちはいたく呉羽が気に入ったらしく、事ある毎に【くー】と言ってるらしい」
もうすぐ一歳になる征くんと燐ちゃんは私を【くー】って呼んでくれる。東雲さんは初音さんで【はー】。やっと歩けるようになった小さい足でよちよち近付いてくるのなんて、すごく可愛い♪
「征くんたち何食べるかな?何作ろう?」
「呉羽の手料理は何でも旨いだろ」
「省吾さん、明日はお休みになったの?」
「ああ。商談を兼ねているからな。敏明も来る」
敏明さんは省吾さんの秘書の苅谷さんの事。私が異母兄弟だって知って以来、省吾さんは名前で呼んでるし、敏明さんも【兄さん】って。何か嬉しいよね。ただ敏明さんに【お義姉さん】って呼ばれるのはイヤ…めちゃめちゃ抗議した甲斐あって、【呉羽ちゃん】になったけど。
「近々、明日集まるメンツで合同取材を受ける事にもなった」
「まさかファッション誌とか?」
「残念、経済誌だ」
「あ!【executive NewS】だ」
「当たり」
「すごいね~?合同なんて」
「君と木下も一緒だ」
「え!?」
「今や強い繋がりを持つKAI・及川・巽のKOTとフェイバリットのカリスマカフェスタッフとの関係を絡めての合同取材だ」
「私ヤダっ」
「甲斐夫人と東雲も一緒だぞ?」