無愛想な彼に胸キュン中
「あ」
靴箱に、見慣れた背中。
あたしの声に気づき、青葉が振り返った。
「…………」
何か言うわけでもなく、
ただ無表情であたしを見る。
……気まずい。とんでもなく気まずい。
そういえば昨日あたしたち、抱き合って
……キスまでしたんだった。
なのになんで声なんか出しちゃうかな、
バカだあたし。
いや、でもここで何も言わないのも変だよね?
前みたいに他人でも不仲でも
……たぶんないし?
「……えっと、おはよう」
自分の中で解決して、一応あいさつする。
クラスメートだし、これくらいねぇ?
どうせ無視されるんだろうけど……。