無愛想な彼に胸キュン中






本当素直じゃないなって
言われるかもしれないけど。



お礼を言うのって恥ずかしいし、苦手なんだ。




「……あぁ、そのことなんだけど」




隣を歩いていた青葉が足を止めて、あたしも止まる。



「そのことなんだけど?」



「ちょっと来い」



「えっ……!?」



引かれた右手。



えっ、な、え!?



「ちょ、ちょっと!青葉どうしたの?」



「いーから」




あたしのことなんて完全無視で。



ズンズンと大股で歩く青葉に引っ張られて歩く。



ここ、廊下。みんな見てる……。




女の子の痛い視線を感じながら、
あたしの体温は繋がれた右手に集中していた。




……どこ行くの、青葉?



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