無愛想な彼に胸キュン中
廊下側の一番後ろの席にダルそうに座った
青葉から、視線を移していく。
「あ、これ落ちたよ」
教室内。
騒ぎなんて耳に入っていないかのように
柔らかい声が聞こえた。
そう言って、
床に落ちたペンを拾う男の子が1人。
椎木 聖(しいき ひじり)
サラサラの黒髪に、黒縁メガネ。
紳士的な優等生。
彼は誰とでも分け隔てなく話す、
フレンドリーな男の子で。
それはあたしにも変わらない。
あたしにも、いつでもとびきり優しかった。