無愛想な彼に胸キュン中
本当はいい人なんだと思う。
っていうか、悪い人なんてこの世にはいないんじゃないかな、なんて。
あたし単純なのかなぁ?
「……は?三枝、俺のは?」
「え?」
隣で不穏な空気を醸し出しているかと思ったら、青葉があたしを見た。
その視線は、冷たい。
「そいつの分はあって俺のはないとか、ないよな?」
「え、も、もちろんあるよ!」
慌ててカバンから青葉の分を取り出す。
実は、椎木くんのよりも丁寧に心を込めて書いたんだよね……。
「ふーん。あいつと俺は同じなんだ?」
「ち、違うよ!こっちのほうが心を込めて……ってはっ!」
慌てて口をおさえる。
あたし、なんて恥ずかしいことを……っ。