無愛想な彼に胸キュン中
「あっそ」
冷たい声が聞こえたかと思ったら。
叫んで息が荒いあたしの横を、
何食わぬ顔で青葉は通り過ぎる。
えっ――。
振り返ると、見えるダルそうな大きな背中。
……なに、コイツ。
失礼すぎるんだけど!
「すっごく、ムカつく」
あのとき立ち止まることなく、
見てみぬ振りして助けなきゃよかった。
あんなやつ嫌いだぁ!
怒りをふつふつとさせながら、
あたしも教室に向かう。
アイツがいる教室に。