無愛想な彼に胸キュン中
「……はぁ」
だるい。本当にだるい。
じゃあこれ、
返しに行かなきゃいけねぇんだよな。
クッキーの袋をもって、
俺は隣の教室に向かった。
「……片瀬、いる?」
面倒だから入り口にいたやつらにそう言うと、それに気づいた教室内の女たちが騒ぎ出した。
うわ、面倒くせぇ。
かなり面倒くせぇんだけど。
不機嫌を顔に出さないように、
いやたぶんもう出てると思うけど、
片瀬が来るのを待つ。
「片瀬、呼んでる」
そう呼ばれて俺のほうを見たのは、
肩まである髪を綺麗に巻いた女。