君といた夏
「もし、涼に嫌われたら、泣いてもいい?」
「………おう。そん時こそ、涼を殴ってやるよ。」
「暴力はダメだし、喧嘩もしないで。」
「………わかってる。」
拗ねたように言う、少し子どもっぽい愁くんは、
いつの間にか哀しそうでは無かった。
「いつも味方でいてくれて、ありがとう。愁くん。」
「当たり前。これからも、何があっても俺は玲奈の味方だから。」
あ、そういえば……
愁くんに一つ伝えなきゃいけないことがあった。
「あのね、愁くん。」
「?…なにかまだあるのか?」
「………日向ちゃんがね、この学校にいるかもしれない。」