君といた夏
さっき階段で突き落とされた時、女の子に言われた言葉。
『日向の命令よ。』
まだ、その響きは耳に残っている。
「……それ、本当か?」
私の言葉に、愁くんは体を硬くする。
「まだ、わからない。
同じ名前の、別人かもしれない。」
そう祈りたい。
二度と、関わりたくない。
あんな、あんな………最低な子には。
「絶対、あいつを玲奈には近づけさせねぇよ。」
「………いないと、いいんだけどね。」
ーーーーーガラガラッ
その時、ドアが開かれた。