君といた夏
いつだって周りの憧れで。
いつだって女子から視線を向けられている彼。
何をしても、なんでも器用にこなせてしまう彼は、かっこいいと思う。
だけど、それは私の前だけであって欲しいーーーなんて無理な願いだけど。
ピーーーーーッ
「試合終了!60ー29でーー………」
どうやら試合が終わったようだ。
当然、勝利は私たちの高校。
だけど、私の試合はここからだ。
「涼太くーん!!私のタオル使って!」
「スポーツドリンクも用意してるんだから!」
「保冷剤持ってきたよー!レモンの蜂蜜漬けいる?!」
ああ……既に出遅れている。