君といた夏
「愁くん。もう隠さなくても大丈夫だよ。千夏にも、涼にもいずれ言わなきゃいけないから。」
この2人を信用してるから、言わなきゃいけない。
それに、愁くんも解放しなきゃ。
私を思って、涼に隠し続けてくれたんだ。
「涼と千夏がね、大切なんだ。
だから、嫌われたくなくて言えなかった。軽蔑されると思った。」
怖いよ。
すごく、怖い。
あの眼差しを、また向けられるのかと思うと、体が震える。
「玲奈。俺はどんなお前でも、愛してる。なにがあっても、俺にはお前だけだからな。」
私の震える体を、涼はぎゅっと包んでくれた。
後ろ向きだから、顔は見えないけど。
その声は私に安心を与えてくれるんだ。