君といた夏



「……っ……」



怖い。



涼に嫌われることが、


千夏にも、あの目を向けられるんじゃないかって、思ってしまう。




汚いものを見るような、視線。


存在すら否定するような、表情。



憐れむような態度をするくせに、


誰も手を差し伸べてくれない。



からかうように、楽しんで話しかけてくる毎日。


たとえ泣き叫んでも、きっとその表情は楽しそうになるだけで。




いじめる側も、傍観する皆も


大嫌いだった。




息が詰まる毎日だった。


それ以来、人の多い場所が苦手だった。



みんなのコソコソした話し声が怖かった。



だから、本当は。



涼のファンクラブが、何よりも嫌で。


怖い。



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