君といた夏
「いじめは、卒業まで終わることはなかった。
それでも、俺は出来るだけそばにいて、玲奈の力になろうと思った。」
毎日、学校に行くのが苦痛なのに。
どうしても、行くしかなかった。
学校をサボるわけにもいかず、保健室にも逃げ込まずに、教室に入るしかなかった。
そうしなければ、親へと伝わってしまうから。
愁くんはね、隣のクラスから駆けつけてくれた。
毎日、毎日。
休み時間のたびに教室に来ては、私を救ってくれた。
その存在だけで、私がどれだけ救われた気持ちになったか。
どれだけ、弱みを打ち明けられるようになったのか。