君といた夏
まだ、止まりはしない
あれから、3ヶ月。
新年度を迎え、私たちは高校3年生になっていた。
日向ちゃんとは、あれから接触はない。
あの日の翌日、涼はファンクラブに向かって忠告してくれたみたいで。
イジメもピタリと止まった。
「涼〜っ!」
「走るとこけるぞ?」
改札を抜けて見えた涼の姿に、思わず走りだした。
「ほら、手だせよ。」
いつもの登校は、涼のこんな言葉から始まって。
指を絡ませて、ギュッと握ってくれる。
こんなにも幸せでいいのかな?
なんて。
まだ足りないものはあるけど、それでも幸せな毎日。
涼、愁くん、千夏……ありがとう。