君といた夏
今は、椅子に座って、チームメイトと談笑している。
一声だけでも、かけていきたい。
「仕方ないわね。先に行って、いい席取っといてあげる。」
「千夏、ありがとう……!」
なんて優しい私の親友。
私の心は全部千夏に見透かされてる気がする。
千夏のこういう気遣いは、本当に上手いんだよね。
「すぐ行くから、お願いします。」
「了解。行ってきな。」
千夏に見送られて、私は涼の方に走った。
「涼。」
「玲奈?どうした?」
雰囲気を見たのか、涼の周りの男の子達が離れてくれる。
少し申し訳ない。