君といた夏
涼は知らないけど……
あなたは私の救いで、
そばにいるだけで幸せだったんだよ。
だから、たった一つの望みがあるの。
あなたが、私の真実を知るまでで構わない。
ーーーその間だけでも、どうかそばにいさせてください。
「ねえ、私知ってるんだから。」
朦朧 (もうろう) とする意識の中で、日向ちゃんの声が微かに聞こえる。
身体中が痛くて、今にも意識が飛びそう。
「あなたの家のこと、全部知ってるんだから。」
ーーーーえっ
意外すぎる不意打ちの言葉。
動かない体に無理矢理力を入れて、目を開ける。