君といた夏




「玲奈は『いらない子』なんでしょ?」



「……ど……して……」




なんで、日向ちゃんが知ってるの?




そのことは私と彼らしか………っ!!!



ふと、あることに気付く。



気付きたくなかった、一つの答え。




あまりにも、残酷すぎる答え。





「気付いた?というか、今までなんで気付かなかったの。」




彼女の名前はなに?


簡単なこと。



彼女の名前は “野々崎 日向”。




「私は、あの野々崎家の、嫡男 (ちゃくなん) の娘よ。」




野々崎家は、ここら辺ではあまり知られていないが、かなりの名家。




平安時代からの貴族階級で、今でもその栄えは残っている。



そして、日向ちゃんは、そんな家の長男の娘。



< 154 / 168 >

この作品をシェア

pagetop