君といた夏
「玲奈は『いらない子』なんでしょ?」
「……ど……して……」
なんで、日向ちゃんが知ってるの?
そのことは私と彼らしか………っ!!!
ふと、あることに気付く。
気付きたくなかった、一つの答え。
あまりにも、残酷すぎる答え。
「気付いた?というか、今までなんで気付かなかったの。」
彼女の名前はなに?
簡単なこと。
彼女の名前は “野々崎 日向”。
「私は、あの野々崎家の、嫡男 (ちゃくなん) の娘よ。」
野々崎家は、ここら辺ではあまり知られていないが、かなりの名家。
平安時代からの貴族階級で、今でもその栄えは残っている。
そして、日向ちゃんは、そんな家の長男の娘。