君といた夏



「じゃあ……っ」



「あんたの過去、全部知ってるよ。」




絶望に染まる、心。



まだ誰にも話してない……ううん、話せなかった過去。




「私が涼太くんに……いや、あなたが大好きな五十嵐くんや伊藤千夏にも言ったら、どんな顔をするんだろうね?」




軽蔑される?


それとも……憐れみをかけられて同情?



そんなの、どっちにしたって、私が惨めになる末路だけが残される。




「わかってんでしょ?
わかったら、さっさと私の前から消えて。涼太くんとも別れなさい。」



「いっ?!!!」




最後に思いっきり私のお腹を蹴って、日向ちゃんは去って行った。




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