君といた夏





「………電気、ついてねぇじゃねぇか。」




着いた玲奈の家は真っ暗だった。



覗いたポストも、中身が抜かれていない。




「まだ帰ってねぇのか……?」




いや、そんなはずはねぇ。



寄り道する時は言え、と常日頃から言ってある。




だとしたら、考えられる理由は一つ。




「玲奈は、まだ学校にいるのか?」





なぜ?どうして?



そんなことよりも、俺は道をダッシュで走り出す。




もしも学校にいるとしたら、どこだ?




教室?体育館?校庭?



くそっ、キリがねぇ。




でも、一刻も早く迎えにいかねぇと。




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