君といた夏
もう校門は閉まっている。
このままだと、下手をしたら一夜を明かすことにもなりかねねぇ。
「くそったれが。」
きっと、何かに巻き込まれた……
いや、最悪の場合を考えろ。
今、最も最悪なパターンは……野々崎が関わってることだ……!!
「馬鹿野郎っ!!」
自分の不甲斐なさに、悔しくてたまらねぇ。
唯一の救いは、玲奈の家と学校がさほど遠くないことだ。
俺はバス通学だが、玲奈は徒歩15分だ。
「玲奈……待ってろ…!」