君といた夏



あろうことか、お姫様抱っこをされた。



周りの突き刺さる視線が痛い……



でも、それよりも落ちそうで怖い!!




「お、落ちちゃう?!」



お姫様抱っこって……こんなに怖いものなの?!



憧れてた私でも、これは二度としたくないと思ってしまう。



「俺の首に手ェ回すか、服でも掴んどけ。」



涼の声は低い。



涼……怒ってる。




「ん……」



それ以上逆らうことに危険を感じた私は、涼の腕を両手で掴んで、涼の胸に顔を埋めた。




「そこのお前ら、二度と俺の前に現れんな。」



涼が、私の隣にいる女子に喋りかけた。




< 17 / 168 >

この作品をシェア

pagetop