君といた夏
あろうことか、お姫様抱っこをされた。
周りの突き刺さる視線が痛い……
でも、それよりも落ちそうで怖い!!
「お、落ちちゃう?!」
お姫様抱っこって……こんなに怖いものなの?!
憧れてた私でも、これは二度としたくないと思ってしまう。
「俺の首に手ェ回すか、服でも掴んどけ。」
涼の声は低い。
涼……怒ってる。
「ん……」
それ以上逆らうことに危険を感じた私は、涼の腕を両手で掴んで、涼の胸に顔を埋めた。
「そこのお前ら、二度と俺の前に現れんな。」
涼が、私の隣にいる女子に喋りかけた。