君といた夏
「おはよう、涼。」
「おはよ。」
朝、教室のドアを開けると、既に来ていた玲奈。
朝からこの笑顔を見るだけで、テンションが上がる。
「涼太どけよ。俺が通れないんだけど。」
後ろから来た愁が、俺に文句を言う。
本当は、朝も玲奈と来たいけど……バスケ部には朝練がある。
当然、愁もバスケ部だから、いつもこいつと教室に来る。
「うるせぇ。お前の事情なんて知らね。」
「うわぁ、ひでぇな涼太は。」
愁とは、学校こそ違うものの、小さい時から同じバスケクラブで習ってきた。
おかげで、高校に入って、1番の友達なわけだ。