君といた夏
「ね、涼。」
「ん?何だ?」
ちょこちょこと近づいて来た玲奈を見て、俺も近寄る。
優しく頭を撫でると、目を細めて照れたように笑う。
可愛い……まじで癒される。
「涼、今日は千夏と帰るね。」
………まじですか。
いつも俺を待ってくれる玲奈だけど。
今日は親友と帰るらしい。
「………わかった。」
しぶしぶと頷く俺に、目ざとく反応したのは、愁だった。
「玲奈、こいつ機嫌悪くなってる。
心が狭いな〜。」
「うるせぇよ、愁。」
大体お前が玲奈を呼び捨てにするなよ。
と思う俺は心が狭いんだろうか?