君といた夏
俺の知る限り、玲奈の名前を呼び捨てにするのは限られている。
俺と、愁。
そして、玲奈の親友の 伊藤 千夏 (いとう ちなつ) だけだ。
「ごめんね……でも、千夏と久しぶりに遊ぼうと思って…」
「別に謝ることじゃねぇよ。
わかった。その代わり今度の日曜空けとけ。」
「日曜日?」
俺の言葉に、玲奈は首を傾げた。
さすが鈍感。
「今度の日曜、バスケ部の休みだからデートしろってことだろ。」
愁は半分苦笑いで玲奈に言う。
「デート?!うん。了解!
楽しみにしてるね。」
そう言って去って行った玲奈。