君といた夏
「先輩のことが本気で好きなんです!
この想いは誰にも負けません!!
絶対に、誰にも!!」
「いや、残念だが俺には負けるな。」
ガラガラ
教室のドアを開ける音とともに、彼の声がする。
「大体、玲奈は俺のものって知ってんだろ?」
「っ……坂本、涼太……!!」
涼はバスケ部のエースだから、学校中の有名人。
だから、私が涼の彼女となったことは有名なはずだ。
「人の彼女に強引に迫ってるんじゃねぇよ。どっか行きやがれ……!」
「ちくしょぉっ……」
そう言うと、名前もわからぬ彼は、涼を睨むと去って行った。