君といた夏
「涼……?」
彼が去ってからも、涼は不機嫌そうだった。
「玲奈は中途半端に断りすぎ。」
「ちゅ、中途半端……?そうかな?」
「『彼氏がいる』って言えば、諦めるだろ。」
「でも、私に涼がいるのは皆、知ってると思うよ?」
私がそう言うと、涼は顔をしかめた。
そこまで気に障ることだったかな?
「そんなんだから、同じ奴に何回も告白されるんだよ。」
呆れたようにため息を吐くと、涼は空き教室のドアを閉めた。
「このあとサボり。」
「涼サボるの?私は行くから、後でね。」
「なんでそうなるんだよ……」