君といた夏
「嘘だって。やろうぜ。」
私の頭を、優しく撫でてくれたから、
私の機嫌もすぐに直る。
「単純だな」って、また笑うから。
私は子供っぽくならないように、今度は拗ねない。
「ばーか」
一言呟いた私に、彼は大胆にも唇にキスをする。
「お前の方がバカだろ。」
人を馬鹿にして、
「当然、俺には勝てねぇけどな。」
ナルシスト発言をするくせに、
「そんな玲奈だから、俺は好きなんだけどな?」
私にだけ甘いからーーもっと好きになってしまう。