君といた夏



「愁くんは優しいよね。」



「そうか?俺だって誰にでも優しいわけじゃないと思うけどな。」



誰にでも優しいわけじゃない…?



こういうのって、あれだよね。


よく少女漫画で見るよね!!



ということは…


「愁くんは、千夏が好きなの?!」



「なんでそうなるのよ……」



千夏が飽きれた視線を私に向ける。



って、本人の前で言っちゃった?!




「ご、ごごめん!!
千夏の前で言って!!」



「いや、別に俺は伊藤が好きなわけじゃないんだけど。」



あれ?

そうなの??


私の勘違い?!



「あぅ……」



急に恥ずかしくなって、うつむいた。



なんてことをしてるの、私?!




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