君といた夏
「そうは言っても、ちゃんと俺にも好きな子はいるんだけど。」
「そうなの?」
なんだ……
あながち間違いじゃなかったのかな?
やっぱり、千夏じゃなくても、他の人に恋をしてるんだね。
「ずっと心の中から忘れられない子がいるんだ。
諦めようとしても、諦められない子が…」
愁くんは、顔をあげた私の前で切なそうな顔をする。
どこか、哀しそうな彼に、私は少しだけ……綺麗な顔だなって思ってしまったんだ。
「なんつー顔をしてんだよ。」
「涼太か。なんもない。気にすんな。」
そんな愁くんの前に現れたのは、涼。