君といた夏
「じゃ、9時に待ち合わせ。」
「うん。どこ行くの?」
手を繋ぎながら下校していると、涼は何を思ったか、意地悪く笑った。
「秘密な?」
「え、なんで?」
「当日まで、ずっとデートのこと忘れさせないため。」
「えー?!忘れないよ。」
デートのこと忘れるわけないじゃん。
だって、すっごく楽しみなんだから。
「そういう意味じゃねぇよ。」
「でも、大丈夫だよ!
涼のこと大好きだから、デートは約束した時から忘れないもん。」
私がそう言うと、涼の顔は赤く染まった。
「涼?顔赤いよ…?」
「お前ばっかりずるい……」