君といた夏
《涼太side》
「あー、ダメだ……わからん。」
「悩むなら俺が決めてやろうか?」
「ふざけんな。」
ただいま俺は、2人でアクセサリーショップに来ている。
だが、決して幸せな気分じゃない。
なにしろ、一緒に来ているのが玲奈じゃねぇからな。
「なんで俺が、男と2人でこんな場所に来なきゃいけねぇんだ……」
はぁ……とため息を吐いて、目の前の男を見る。
真剣にショーケースの中のアクセサリーを見ているそいつは、
勇介だ。
「伊藤に何を隠してるのかと思えば、こんなことかよ。」
「こんなこととはなんだよ。
俺が必死な思いでここに来てるんだけど。」