君といた夏
「おぉ〜……!!」
『皆さん、拍手をお願いします。』
飼育委員のお姉さんによって投げられた輪っかを、2匹のイルカが通って行く。
ジャンプをして高く跳ぶイルカ。
なんて可愛いの?!
「涼、大人になったら一緒にイルカ飼おうね。」
「……………。」
あれ?
返事のない涼の方を見ると、涼は真っ赤になっていた。
なんで……?
「お前さ……“一緒に” ってわざと?」
「え?」
私が首を傾げると、涼はやっぱり、とため息。
「さすが天然。特技は俺を喜ばして生殺しですか……」
涼の言った意味に、更に首の角度が大きくなる。