君といた夏
《涼太side》
「綺麗………。」
水族館から俺の最寄り駅に帰る途中の駅で降りる。
この駅にはでかい広場があって、そこにクリスマスツリーが飾られている。
「涼、大きいね。」
「だな。」
かなり見上げないと、頂上の星が見えねぇ。
飾り付けるのに苦労しそうだな。
「あそこで何かイベントやってるよ。」
玲奈が、少し離れた場所を指す。
ロウソクがいっぱいあるな。
「すみません、何をしてるんですか?」
「こちらでは、『ロマンチック☆キャンドル』というイベントをしていますよ。
このドーム型のガラスに、願いを書いて中にロウソクを入れるんです。
今年と来年にかけて、あのクリスマスツリーの周りに飾られますよ。」