君といた夏



玲奈が金を払うのを止めて、俺が金を払った。



なんでもかんでもって訳じゃねぇけど、デートで彼女に奢るのは俺の中では当たり前だ。




「りょ、涼。お金……。」



「別に気にすんなよ。で、何書くんだ?」



多種多色のマジックペンが揃えられている。


これで書けるんだよな?




「うーん………どうしよう。
永遠の愛とかだとベタかな?」



「玲奈の好きなようにやってみ?」



「文句言わない?」



「言わねぇよ。」



俺が玲奈の頭を撫でてやると、気持ち良さそうに笑う。



猫みてぇ。



玲奈は、マジックペンを何色か取ると、真剣な様子で書き始めた。




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