君といた夏
「なにぼーっとしてんだよ。
遠慮せずに寛いでいいから。」
私の荷物を上にあげてくれたのか、リビングに涼が入ってきた。
「っつっても、俺は今から夕飯の準備しなきゃいけねぇから、かまってやれねぇけどな。」
「夕飯?私も手伝うよ。」
私が涼を見ると、涼の顔は期待半分、不安半分といった複雑な表情になる。
「玲奈、お前料理できるのか?」
「うん。これでも1人暮らしだよ?
料理はそれなりならできるよ。」
不安そうに尋ねてきた涼。
まさか、私が料理出来ないと思ってたの?
「てっきり、包丁の持ち方すら知らねぇのかと……」
「むー。失礼だよ!私は高校生だよ?!
それくらいわかるもん。」