君といた夏
俺の下で緊張気味な玲奈が、俺に手を伸ばした。
フワリ
俺の頬をゆっくりと撫でてくれる。
「大丈夫だよ……私は、逃げないよ?」
何でこいつは、そんなに優しいんだ?
今から痛いのもキツイのも、きっとお前だけなのに。
俺の心配してる場合かよ。
「涼、大好きっ」
「お前には、敵わねぇな……」
俺は、玲奈の唇に自分のそれを押し当てる。
優しくしてやりたい。
俺の腕の中で安心して欲しい。
「なぁ、玲奈……」
「んっ………」
「誕生日、おめでとう」
気が付けば、日付は12月25日になっていた。