君といた夏
熱湯をかけられた手はジンジンして痛い。
ファンクラブといえども、こんなことまでされるとは思わなかった……
でも。
なんで愁くんがそんなに必死になってくれるの?
顔を歪めて、私よりも辛そうで……
「愁くん?」
「……保健室行った方がいいだろ、これは。」
真剣な顔で、愁くんは私の手を掴んだまま、教室の扉へと向かう。
「………許さねぇ。」
私に熱湯をかけた女の子を睨むと、廊下に出る。
慌てて振り返れば、驚いたような……それでいて苦しそうな涼と目が合った。
「りょ「行くぞ。」
涼が苦しそうなのに、私は声をかけてあげられなかったんだ。