君といた夏
「玲奈?!待て、そんな体で動いたら………!」
愁くんの言葉に耳を傾けずに、私は走りだした。
行かなきゃ……
涼のもとに…!!
助けなきゃ……
廊下に出ても、何処に行ったのかわからない。
それでも私は我武者羅に走った。
あの言葉も、顔も……二度と聞きたくなくて…見たくなくて…
今度こそは、止めなきゃ…
ーー何を?
「なんで……?なんで……、わからないの?」
目の前に階段が見え、反射的にそこに足を出した。
理由はわからない。
だけど、必死で。
私は守りたいから、頑張っただけなのに…
ドンッ!!