君といた夏
階段を上り終えた時、いきなり見知らぬ女の子に押された。
下は階段。
当然、私の体は宙に浮いた。
「ーーーえっ?どうして…?」
「日向 (ひなた) の命令よ。」
ひ、なた……?
なんで、そんな名前がここに出てくるの?
見知った名前。
それに恐怖を抱く。
ああ、私は不幸の塊なのかもしれない。
過呼吸で走った影響なのか、意識が遠くなる。
守りたいのに……
今度こそ、涼を救いたいのに…
私は今回だって、何もしてあげられない。
プツッ
そして、意識は途切れた。