君といた夏
トドメを刺された。
そう思った。
今までこの高校生活で得た、愁への信頼と友情が、俺の中で崩れた気がした。
「じゃあね。」
言いたいことだけ言って、野々崎 日向は去って行った。
でも、後に残していったものは、でけぇ。
「精々……頑張ることね、玲奈。
でも、五十嵐くんに助けられれば助けられるほど……今回は壊れていくんじゃない?」
野々崎 日向の声は、もう俺の耳には届かなかった。
最低な、感情が生まれる。
黒くて、汚い感情だ。
「くそっ!!」
嫉妬、憎しみ、裏切り、痛み、悲しみ、悔しさ、恨み……
もう、なにもわかんねぇよ。
もう、なにも知りたくねぇよ。
こんなことを知るために、俺は戻ってきたのか?
違うだろ!
こんなこと、望んでねぇんだよ!!