ニセ×カレ
―――「最悪だ…。」


教室に戻ってすぐ机に伏せてうなっていた涼太を見て、クスッと笑った。

涼太らしくないなぁ、うなだれてるとか。

涼太はいつもうるさいことだけがとりえなのに。


「どうしたの?」

「どうしたって、お前も聞いてただろ? 生徒会だよ。俺呼ばれちまった…。」

「いいなぁ、ひな呼ばれてないんだけどぉ!」

「どんま~い。よかった、呼ばれなく…」

「お前だって、呼ばれてただろ、2年1組2番…って。」

「は?」


呼ばれた…?

2番?


「きゃぁぁぁ!! わわわ私も、よ、呼ばれ…えぇ!!」

「みみ、動揺しすぎ…。まさか1番だと…。」

「目立つなんて死んじゃう!! なんで私なのぉ…。無理無理ぃ!
今すぐ校長に行って来ようっ!」

「そりゃ、お前テスト順位毎回10位には入ってるし、去年は委員長やってたし選ばれてもしょうが――」

「わぁぁぁ! もう、バカっ!
お、大っきい声で言わないでよぉ!
それと委員長は、やりたくてやったわけじゃないんだってば!」


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