ニセ×カレ

手伝う?


「いい? すぐ終わるんだけど。」

「それでいいなら…。」

「じゃ決定。ついてきて。」


そういうと、すぱっと起きあがって、私の腕をつかむと、歩きだした。


どこ行くのこの人…?

何言ってんのこの人…?

てか、誰…?


「あのぉ…あなた一体…。」

「俺? 俺がどうした?」

「お名前は…?」

「えっ、俺のこと知らないの? マジで言ってる?」


こんなこと嘘で聞くわけないでしょ…?

あほでしょこの人…?


ホントにきょとんとしてるし…。


「俺、藍沢和希だけど? お前と一緒だよ、学年も組も。」

「1組?」

「そ。あんた、天海美々果だろ?」


な、何で私の名前…。

そ、そんな有名人かなぁ、私…。


藍沢和希…かぁ……。

どっかで聞いたことあるような…ないような…。


「あ、そうだ。
手伝うって言っても、ただ俺の話にのってくれればいいだけ。

『うん』とか『そうだよ~』って言ってればいい。」



< 15 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop