ニセ×カレ
「そ、そんだけでいいの?」

「うん。
あと、今だけでもいいから、『和希』って呼んで。
俺も『美々果』って、呼ぶから。」

「いいよ。」


なーんだ、いればいいだけじゃん。

めっちゃラクー…


……なんて思ってたのはこの時だけだったんだけど。


「ごめん。ちょっと急ぐ。」


そう言って走り出した。


運動部なのかな。

足は速そうだった。

私のためにペースを合わせてるんだと思う。


だって、こっち見ながら走ってるもん。


よく見たら、それなりにイケメンだった。

きっと、もてるんだろーね。


そういう系な話、詳しくないけど。


「どこまで行くの?」

「図書室の前。たぶん女が4人位いると思う。」

「女?」


嫌な予感がしたのは、この時。

…気がついたのが、もう遅かったけど。
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