ニセ×カレ
図書室の前の廊下に来た時だった。

「あ、和希、来たよ?」

「ウソ…さっき言ってたのマジだったわけ?」

「だって、女連れてるよ?」

「誰あいつ?」


ホントに4人ほどの上級生たちがいて、私たちを見てコソコソ話していた。

まぁ、まる聞こえなんだけど。


「…和希、誰その子。なんか手ーつないでるし。
めっちゃ馴れ馴れしいんだけど。」


1人の女の子が、私をにらんでクスクスと笑った。


…怖い……。


早くこの場から離れたかった。

私はうつむきながら、『和希』の後ろに隠れた。


「おい、あんま睨むなよ。
そんなことより、さっき言った『理由』、持って来たんだけど?」

「あたしと付き合えない『理由』?」

「そ。お前らと付き合えない『理由』。」


…きっと、この人たち好きなんだ。

『和希』のこと。


さっき告白したんだ。

でも、振られちゃった。

その『理由』を聞くためにいるんだ。


「『理由』はこいつだよ。今手ーつないでるこの子。

俺の彼女だから。」

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