ニセ×カレ
ひなが後ろから、近寄って来た。


「どど、どうしたの…? なんで、和希くんと…。」

「…ひな。何にも見てないことにして。あんな…あんなの……。」

「わわ、わかったから! も、もう行こう? ほら、篠宮くんが待ってるよ?」


私は、小さくうなずくと、ひなに連れられて靴箱におりて行った。


ふぅー、これは夢……絶対夢……

あんな奴……あり得ないっ…


そんな感じでぶつぶつ呟いてたら、正門の前についていた。


「おせーよ、何してたんだ?」

「りょ、涼太…。」

「あ、えーっと…そう、菜緒先輩のお手伝いだよね!
生徒会室にお届け物だよ!」

「そうそう。ごめんね時間かかって。」

「ふーん…別にいいけど。帰ろーぜ。」


今日の出来事は、私とひな(…と藍沢和希)の秘密にしておこう…。

でないと…めんどくさいことになるよね…。


…そう思ってた。


「あっれー? 篠宮じゃーん。」

「藍沢?」

「えっ……」


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